助産師の仕事

助産師とは妊婦への保健指導や出産時の援助、育児相談などを行う仕事です。働く場所は産婦人科医院や保健所、母子健康センターなどが主ですが、助産師には開業権があるので自分で助産所を開業することも可能です。また、現在助産師になれるのは女性だけというのも一つの特徴です。

お産を助ける仕事の女性は以前は「産婆さん」などとも呼ばれていましたが、助産師は単に出産の支援をするだけでも「産婦人科で働く看護師」というだけでもありません。これから子供を持つ人たちのために子供の世話の仕方を教えたり、育児のアドバイスや産後の女性のケアもしなくてはなりません。そのため、出産・育児に関する多方面の知識が要求され、同じ女性として妊産婦を支える視点も求められます。

助産師になるためには、まず看護師の資格が必要です。そして助産師の養成所に入り、一定のカリキュラムを勉強して受験資格を得ます。その上で助産師国家試験に合格することで初めて助産師となれます。現在では看護大学の中で助産師養成のためのコースがあり、そこで看護師と並行して勉強し受験資格を得ることもできます。助産師の養成所は、看護大学、大学院、短大、専門学校の助産課程で、現在全国に約170校あります。

養成所で勉強するのは助産学だけでなく、地域母子保健学、心理学、社会学など母子をトータルにサポートするための内容が多く、実習も欠かせません。実際に助産師として働く上では妊産婦の相談に乗ったり、心のケアをすることも多いので助産技術だけを学べばいいというわけではありません。最近では産婦人科医院で父親向けの育児教室なども開かれていて、これから初めて子供を持つ両親が安心できるような指導を考える必要もあります。

助産師国家試験は年一回行われ、合格率は80~90%と高くなっています。試験は選択式と記述式の筆記試験ですが、2012年の結果では全体で95%、新卒者では96%の合格となっていて、しっかりと勉強すれば合格できる試験だと分かります。ちなみに、養成所別の結果では新卒者の合格率はほぼ全てで90%以上なのに対し、既卒者は大学別科を除き、50~60%台という結果になっています。また、受験者数に注目しても全体が2131人に対して、新卒者は2064人となっていて、助産師国家試験を受けるほとんどが新卒者という状況です。看護師から勉強をしなおして助産師になるという道も十分可能ですが、この結果はそれ以前の年度でも同様で、現在の傾向として助産師を目指すのであれば看護大学や短大で最初から看護師と並行して勉強するというのが主流のようです。

助産師は将来独立することが可能です。それまでに看護師の経験、助産師の経験とある程度の年月を必要とはしますが将来助産院を開きたいと考えている人は避けて通ることのできない道です。
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